小学生の算数の勉強方法B文章題は音読とスモールステップ

小学生の算数の勉強方法B文章題は音読とスモールステップ

 

小学生で文章題が苦手な子はとても多いです。
基礎的な計算が結構できる子でも、
この文章題で間違えて100点を逃す。
そんな子が多いです。

 

 

うちの子は本を読まないから苦手なんです。
そんな風に言う保護者の方がいますが、
私はそれは違うと思います。

 

 

算数の文章題というのは文章→計算式
という変換が必要なため、
ただ単に本をよく読んでいるかどうか、
というのはあまり関係がありません。

 

 

それよりは、ミスなくきっちりと
文章を読み取る力が必要なのです。

 

 

今回は文章題が得意な子にするための、
勉強方法を紹介していきます。

 

 

文章題が苦手な子の特徴

 

 

文章題が苦手な子の特徴は、
「は・より・の」等をしっかりと、
読めないというところにあります。

 

 

しっかりと読めないというのは、
どういうことかと思われたかもしれませんが、
そのままの意味です。

 

 

例えば下のような文章題があったとします。

 

 

A君はB君より8cm背が高く、

 

C君の身長はB君の1.2倍です。

 

C君の身長が120cmだとすると、

 

A君とC君どちらが何cm大きいでしょう。

 

 

この文章を式に起こして、
最終的に答えを導かなければなりません。

 

 

ここでしっかりと読めない子というのは、
どういう状況になるかというのは、
音読をさせれば分かります。

 

 

文章題が苦手な子は、
この文章を音読した時に、
一字一句間違えずに、
スラスラと読むことができません。

 

 

「の」を読み飛ばしたり、
「が」を「を」と読んだりします。
この読み飛ばしがある限り、
文章題を理解することは不可能です。

 

 

こんな簡単な文章を、正確に読めず、
読み飛ばすわけは無いと思うかもしれませんが、
実際に読ませてもらえれば分かると思います。

 

 

大人でも、少し理解するのが、
難しい文章に出会った時に、
小さな声で読み上げながら、
文章を指でなぞることがあるでしょう。

 

 

人が文章を正確に理解しようとする時に、
音読をすることで、目と耳の両方から情報が入り、
理解を助けることを知っているから
こういった行動をとるのです。

 

 

黙読というのは、音読よりもレベルの高い、
文章理解の方法ですので、
音読が正確にできない時点で、
黙読で文章を理解することは不可能なのです。

 

 

まずは一字一句文字を間違えずに、
正確に読み上げられるように、
チェックしてあげることが、
文章題理解の第一歩になります。

 

 

文章題もスモールステップで!

 

 

文章題が苦手な子の場合でも、
全く何も分かっていない子というのは、
ほとんどいません。

 

 

この部分までは理解できているが、
ここから次の部分が分かっていない。
というような部分理解をしていることが、
ほとんどだと私は思います。

 

 

先ほどの例文をもう一度見てみましょう。
説明しやすいように番号を振りました。

 

 

@A君はB君より8cm背が高く、

 

AC君の身長はB君の1.2倍です。

 

BC君の身長が120cmだとすると、

 

CA君とC君どちらが何cm大きいでしょう。

 

 

この文章で@の部分が分からない子は、
ほとんどいないと思います。

 

 

まずはこの関係を図などで表現する。
こういったトレーニングをしましょう。

 

 

上のような図が書けたら、
第一段階はOKですね!

 

 

次にAの文章を表現させます。
1. 2倍ということで、
どちらが大きいかを理解して、
これまた図で表現できればOKです。

 

 

Bも同様に情報を図で表現させます。
結果的に下のような図が書ければ、
ゴールはもうすぐです。

 

 

 

 

最後にCの文章でA君とB君の身長を、
比べれば良いということが分かれば、
答えは出てくるでしょう。

 

 

最初から全部を理解させようとするのではなく、
1個1個のパーツに文章を分けて、
それぞれをしっかりと理解させる。

 

 

こういった文章題への取り組み方が、
最終的には文章題を理解させる力に、
なると私は思います。

 

 

最後に

 

 

過去に担任した子供の中に、
計算はとても得意だけれど、
文章題に強い苦手意識を持っていて、
テストで解こうともしない子がいました。

 

 

今回紹介した音読とスモールステップで、
なぜ文章題ができないかということを、
しっかりと教えてあげると、
2学期の中ごろから、
文章題に前向きに取り組むように変わりました。

 

 

うちの子は本を読まないから苦手なんだ。
文章題が苦手だから仕方が無い。
果たして本当にそうでしょうか?

 

 

なぜ苦手で、なぜそれができないのか。
それを正確に伝えてあげて取り組ませれば、
課題が見つかりそれをクリアするだけです。

 

 

漠然とした苦手意識は捨てて、
ひとつずつクリアしていき、
文章題を得意分野にしてみませんか?

 

 

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